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喪われた記憶
第5章 6年前

フラれても構わない。
でも、文化祭が文化委員の最後の仕事だから。
伝えずに終わるのは嫌だった…。
『…清白。俺は…お前が好きだ。』
「…え」
『…別に返事を期待してるわけじゃないから。
伝えたかっただけなんだ。
あ…気にするなよ?
これからも今まで通り接してくれたらいいんだからさ。』
そう言って、気まずくなる前にその場を立ち去ろうとした。
「…ま…待ってくださいっ!」
俺は呼び止められた。
『……?』
振り向くと
そこには、もの凄く真っ赤な顔をした月琴がこっちをまっすぐ見ていた。

