この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
喪われた記憶
第5章 6年前

俺達が付き合い始めて一年。
俺達は中3と高3になった。
俺には大学受験が差し迫っていた。
勉強しなければならなくて、二人きりでゆっくり過ごせる時間が少なくなった。
たまに廊下ですれ違った時、周りに誰もいなければキスをしたり、抱きしめ合ったり…
繋がれなくても、お互いが好きだという気持ちは分かっていた。
でも、そんなある日の事だった。
5月の初め頃。
珍しく…というか初めて、月琴から俺の教室へとやって来た。
そして
『今日…家行ってもいい?』と聞いてきた。
俺は快く了解した。
月琴は嬉しそうに帰っていった。

