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喪われた記憶
第26章 彼の温もり





「また……迷惑かけちゃうかもしれないっ…」



『それでも良い……っ』



「こんな穢れた体なんて……っ…」


『お前は綺麗だよっ………!!』



「……………っ」



『…それ知っても
 俺はお前が穢れてるとか…
 微塵も思ったことはねぇ!
 俺はお前の全てが好きなんだからっ……』



「…………しお…ん」







もう充分だった。



私の空っぽだった心の中に



彼の言葉は染み渡り



そしてそれは満たされた。



逃げる理由はもうない。



拒まなければならない理由はもうない。



私達の間に障害は無くなったんだ━━














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