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喪われた記憶
第27章 蘇った記憶





「ここを出るときにちょっと…ね」



そう言うと


紫苑は目を細めて



『やっぱり……やったのはあいつなのか』


「もう………いいんだ」



半ば諦めたように言うと


『………最低だな』


驚くほど低い声が聞こえた。




『月琴に手を出す事自体が
 既に許せねぇ……』




傷の上から吸い付き始め


いくつもいくつも


花を散らした。


『月琴……』


吸い付いては


『月琴……』



名前を呼んでくれた。







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