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喪われた記憶
第27章 蘇った記憶
「じゃ、行ってきます!
『…………行ってらっしゃい』
荷物を纏めると
玄関を出た。
ドアが閉まる間際に
『気をつけろよ。
……絶対逸れるな』
紫苑の声が飛んできた。
「うん!」
かばんを背負い直して
待ち合わせ場所へと歩いた。
月琴が出たのを確認して
紫苑は自室から
1冊のアルバムを取り出した。
あるのは夏祭りの写真━━
彼が小学生ぐらいの時のものだろう。
その中の一枚……
彼ともう一人の幼い少女のツーショット。
「こんなことって………あるもんなのか?」