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喪われた記憶
第27章 蘇った記憶





どうしよう。


下手に動くのも嫌だし


じっとしていようものなら


蚊が寄ってくるし……



右手で払い除けながら


人混みを見つめる。



とりあえず花火が見えやすい所に


移動しておこうか。


そうすれば会えるかもしれないし。




それなら早いほうがいいだろう━━




そう思って歩き出した


私の片腕が掴まれた。







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