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喪われた記憶
第5章 6年前




―――グシャッ




俺の手の中で変形する便箋。







―――どうして……






悲しみよりも何よりも先に、怒りが迫ってきた。






―――俺達はあんなに愛し合っていたじゃないか。






こんな紙切れ一枚で終わらせるつもりなのか?






―――俺にはお前しかいないのに、俺を捨てるのか?






あまりにも…唐突過ぎたその出来事は、俺の心に深い傷をつけた。






―――許せない。






俺は部屋を飛び出した。















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