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喪われた記憶
第9章 同棲宣言



『それから一ヶ月後。

俺達が初めて結ばれたってわけ。』



―――え?



「…あの、私って…その…」



『ん?』



恥ずかしい…けどそんなこと言っていられない。



「…その時、私って…はじめて…でしたか?」



『…それさえも覚えてないの?』



「…覚えていないというよりは知らないに近いです。」



『…そう』



呟いて、麦茶を飲む。



その時動いた喉仏に少しドキッとしてしまった。




『…君のハジメテは俺。

そして、俺のハジメテも君だ。』








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