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藍の果て
第1章 死の惑星
「おい、何か音したぞ!」
「俺も聞こえた。あっちの方からだ!」
ジャリ……、ジャリ。
ゆっくりと近づいてくる二つの砂を踏みつぶす足音。
祈るように小さく背を丸めて、男たちが過ぎ去るのを息を殺して待つ。
どうか、どうか、気づかないで!
「--見ろよ、女だ!」
ビクリと肩が震えた。心臓の音が全身に響くように脈打つ。
一人の男に近づいてきた、もう一人の男もまたリオに視線を注いだ。
「女って……、期待させんなよ。まだガキじゃねーか」
「けど、この白銀の長い髪に、白い肌……。白人種の女は高く売り捌けるぜ
世の中には、こんなガキに興奮する変態もいやがるんだ」
「ほら、お嬢ちゃん。おじさん達と一緒に行こうか?大丈夫、怖いことなんてねーぜ?」
「そうそう、気持ちイイ事しか待ってねーよ」
リオの腕を掴む筋張った大きな腕は、父の物とは違い乱暴で肩が外れそうな程に強引に引き寄せられた。
その痛みに思わず表情が歪む。
「細っこいし、柔らけーな。こういう何も知らなそうなガキを仕込むのが、楽しいんだろうよ」
「おいおい、まさかそっちの趣味になったのか?しかし、まあ……妙な病気持ちじゃ困るしな。少し確かめるか?」
男たちの視線がリオの体中に注がれて含んだ笑みを浮かべる。
父と同じだが全く違う、白人種の男の腕がリオの脇腹を容赦なく掴む。
「あっぐう……っ、た、い。痛い、よう……っ!」
呻くような声にブルーの大きな瞳に涙が滲む。
既にぼろきれに近い白のワンピースを、力のままに左右に引き裂くと
布の破壊音は乾いた土地に響いて、リオの衝撃は更に頭に血を上らせた。
「いやあっ!!やだあっ!助けて、だれかああっ」
肌理の細かい白い素肌は男たちの視界に晒され、太い指が腹部や、まだ膨らみも殆どない未成熟な桜色の蕾へと這わされる。
優しいものではない、摘み潰されるような痛み、それなのに体が痺れるのがリオは余計に恐怖に感じた。
「ふっ……いっつ、くぅっ……」
「すげーな。ガキの癖にこんなに柔らけーのかよ。ハハッ、面白えぜ、真っ赤になって、こいつ」
気持ち悪い嫌悪と男たちへの恐怖、全て入り混じっているのに、体が痺れて動かない。
怖い、怖い、怖い。
男たちはそんなリオを見て嘲笑う。
「次は、こっちだろ?やっぱ」