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ティア・リフレインに捧げる
第1章 ほうら、よくご覧。これはね……
ほうら、よくご覧。
これはね、昔々の偉い魔法使い様が使っていた、占いのカードなんだよ。
嘘じゃないよ。
その証拠にね、このカードには不思議な力があるんだよ。
いいよ、いいよ、見せてあげる。
おじちゃんは魔法使いじゃないけど、少しぐらいは使い方を知っているからね。水飴を買ってくれたら魔法をかけてあげよう。
よし、じゃあ……まず……おいおい、こら、どっちが先だなんて喧嘩をするんじゃないよ。
大丈夫、慌てないで、ちゃあんと、ふたりとも一緒に魔法をかけてあげるから。
でも、本当は男の子は女の子に譲ってあげるものだよ。
だってこいつが? 女の子にコイツなんて言っちゃ駄目だよ。
はっは……やれやれ。
さあ、このカードを見てご覧。この絵は何かな?
勇者。
その通り! 僕はお利口だね。
じゃあもう一枚は?
お姫様。
そうだね。お嬢ちゃんみたいだね。
可愛いお姫様だよ。
勇者はね、お姫様にコイツなんて言うかい?
言わないよね。勇者は何をする人かな?
そう、お姫様を助けるんだよね。
……じゃあ、この最後の一枚は?