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~花の玉手匣~
第5章  蒼い牙に抱かれて

陛下の右掌が振り上がる気配を察して、ぼくのお尻は緊張した。

乾いた音とともに、痺れが素肌に広がる。

続く二発目、三発目……。

陛下は傷ひとつ負わせることなく、けれど的確な痛みでぼくを苛むことができた。

食いしばった歯の間から呻きが洩れる。

打たれるたびに背中がのけ反る。

そして徐々にお尻が燃え出して、ぼくの目には涙が浮かんだ。

つらくて、痛い。

早く終われと思う。

けれど同時に、ぼくは安堵と心地よさに満たされていた。

一打一打に陛下の〝許し〟を感じた。



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