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~花の玉手匣~
第5章 蒼い牙に抱かれて
「さて――」
不意に陛下はぼくの頭を撫でるのをやめ、その手をぼくの腰に置いた。
それでぼくは、相変わらずお尻丸出しのまま陛下の膝にうつ伏せにされていた現実を思い出す。
陛下は右掌をぼくのお尻に添え、
「仕置きの時間だ」
声を改めた。
「え…で、でも……」
床に放置された鞭に視線を向ける。
さきほど陛下がそれを投げ捨てたことで、てっきりお仕置きは免除されたのだとぼくは合点していた。
陛下は笑みを浮かべた。
「あの鞭は使わぬ。予は小龍を傷つける気はない。だが、おまえの腹に巣食う下衆な妬心は、しっかり懲らしめておかねば」
「………………はい」
ぼくは、シュンと頷いた。