この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~花の玉手匣~
第5章 蒼い牙に抱かれて
ぬくもりの中、ぼくの心に新たな決意が湧き上がっていた。
正直に言えば今はまだ、翔龍への焼きもちを完全に拭える自信はない。
それはぼくが心身ともに未熟だから。
それでも――
だからこそ――
ぼくはぼくの務めに邁進しよう。
内官としても陛下の愛妾としても日々精進し、いつか、陛下が今の翔龍に抱いているような信用と同じくらいの――いや、それ以上の信用を勝ち得る人間に、ぼくがなればいいだけの話なのだ。
それまでの間に、また叱られることもあるかもしれない。痛い思いをしなければならないことも、あるかもしれない。
それでもぼくは陛下にどこまでも着いていく。
どこまでも愛し続ける。