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~花の玉手匣~
第5章 蒼い牙に抱かれて
「明日、翔龍が参内した折りには、いち内官としての礼儀をわきまえ振る舞うのだぞ。ふて腐れたようにそっぽを向くなど、もってのほかだ」
「え……」
翔龍の顔が脳裏に浮かび、思わずぼくは眉をひそめてしまった。
すかさず陛下の手がぼくのお尻に伸びてきて、きつく抓った。
「痛っ!」
「だからその歪んだ顔がよくないと叱っているのだ。まったく、百打では仕置きが足りなかったか?」
そうしてパシンと平手を落とす。
「いやです! ごめんなさいっ」
ぼくは陛下の胸におでこを擦りつけて首を振った。
陛下は叩くのをやめ、ぼくを抱きしめてくれた。