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~花の玉手匣~
第2章 星降る夜のわがまま姫
「――それゆえ、姫さまは焼きもちを妬かれたのやもしれませぬ」
呂栢の推測を聞き、玉蘭の胸は「きゅー…」と引き絞られるように痛んだ。
そもそも、美紅姫がお昼寝をしている短時間だけでも皇子の学習を見てくれないか、と呂栢に依頼したのは玉蘭だ。
もちろん東宮たる皇子には専属の傅役が任命されている。
しかし玉蘭としては、ゆくゆくは呂栢に全面的に我が子の帝王教育を任せたいと考えていた。
でも…
美紅姫の心情を慮ることをおろそかにしてしまった。
「厳しく怒鳴ったりして、美紅姫にかわいそうなことをしたわ…」