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~花の玉手匣~
第2章 星降る夜のわがまま姫
そういえば。
美紅姫は「ヨンミ」に、呂栢は「リセイ」に成りすまし、手形もそれぞれのものを提出して後宮を抜け出したわけですが…
これ、お気づきになった方いらっしゃるでしょうか。
要はつまり、もともとその日のために手形を申請していた本物のヨンミやリセイから、呂栢は手形を譲ってもらったのです。
譲ってもらった――と言えば聞こえはいいですが…、まあ呂栢も古株内官ですから、それなりの腹黒い手も使ったのではないかと。
外出を楽しみにしていたはずのヨンミちゃん……かわいそう(;_;)
そして、美紅姫は「自分と呂栢だけの秘密」と思いこんでいますが、呂栢があちこちに根回し・手回ししていたのは言うまでもありません。
まぁ、美紅姫がすべての事情を知るのは、もっとずっと大きくなってから…のことでしょう。