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~花の玉手匣~
第3章 夜更けに…
「あっ…!」
張り型が宙を飛んだ。
誰かが頭上に捧げ持ったところを、別の誰かが奪い取ろうとし、それを拒んだ反動でスポッと手から抜けたのだ。
「あわわわ…」
危うく床に叩き落ちるところを、若い女官がキャッチした。
「もう、皆さま落ち着いて。これは明日にはもとの場所へ戻さなくてはなりませんの」
李内侍が言った。
「李さん。いったいどこから持ってきたの?」
「それはお聞きにならないで。とにかく、争っている場合ではありませんわ。これを試したい方はいらっしゃる?」
全員が手を上げた。
くじ引きで順番を決めることになった。