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~花の玉手匣~
第3章  夜更けに…

にゅる、と張り型が抜かれた。

実杏の瞳はまだ虚ろである。

皇帝陛下の甘いささやき声でも聴こえているのかもしれない。

「すばらしいわ!」

二番目に当選していた女官が目を輝かせた。

「さあ、次はわたくしよ。わたくしにも、同じように挿れてくださる?」

「その次は私ね」

「さあ、早く早く。時間がもったいないわ」

室内は色めきたった。

その夜、丑三つ時を過ぎても、嬌声が途切れることはなかった。




     了




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