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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
食後に花札の説明を受ける。猪鹿鳥は本当は鳥でなく蝶であることを知った。

沢山の役があり、役の表を脇に置いて何回かやっていき、ようやくルールがわかってきた。

「せっかくお楽しみのところですが、そろそろ星の観測にちょうどよい時間ですよ。」

女将さんに促されて懐中電灯を借りて宿を出る。

階段に来て、戻りの大変さを思い出した。

「また、腹がへっちゃうな。」

「だから女将さんは夜食の提案をしてたんですね。」

「おし、頑張って見に行くぞ?」

車に乗り出発する。
宿を離れると僅かな街灯がたまにあるだけの本当の山道が続いた。

迫るような木々がポッカリと拓けた野原に着く。

野原の端まで行ってから空を見上げようとハルトが言い、下を向いて歩く。

足元も真っ暗で懐中電灯で照らさないと歩けず、立ち止まらなければ必然的に空を見る余裕はなかった。

ハルトが黙って手を繋ぎ先を歩いてくれる。
昨晩の庭で感じた頼もしさを思い出しながら着いて行った。

「おっ、ちょうどいいベンチがある。」

倒れた木を積んであるのか、わざと切られて置かれているのか、ちょうどいいベンチになっていた。

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