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堕散る(おちる)
第24章 step24十八段目…春
「そろそろ風呂に入ろうか。」

ハルトに促されて部屋の露天風呂に向かう。
もう当たり前のように手を広げるハルトに、ワタシは近づき洗ってあげる。
だいぶお酒を呑んだせいか、ハルトの体はほんのり赤くなっていた。

「洗ってあげる。」

お返しも当たり前になり、髪を洗ってもらう。
ガシガシと地肌を洗ってもらい気持ち良かった。

「おいで…」

逃げるつもりもないのに手を引かれて湯船に浸かる。
足の間に座らされ抱えられる。

「ハルト、そんなにしなくても逃げないですよ。」

「そう?」

安心したように胸を触り始めた。

でもそれにいやらしさはなく、無い物ねだり、母を探すような無心のものだった。

少し酔っているのでは?身近にお酒を飲む人がいないのでよくわからないが、肩に乗せられた顎も脱力していた。

母親から虐げられ、裏切られ、店に監禁されて動物のように扱われ、人を信じられないハルト、
そんなハルトに気の休まる時はなかったんじゃないか、
母を求めるようなその仕草に、ハルトが甘えてくれていると思い、そのままにした。

「ハルト、そろそろあがりませんか?
のぼせそうです。」

まだまだ触りたそうなハルトに遠慮がちに言った。
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