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堕散る(おちる)
第28章 step28 二十二段目…夏休み…入社試験
「あ…海が見えてきましたよ。」

「ああ、今日は1日海で過ごすぞ。」

「水着持ってきてません。」

「海には入らないから大丈夫だ。」

隣県の海にきた。

「まずは散歩だな。」

「何だかぴよちゃんの相手してるみたいですね。」

「そんなことはないだろ?」

そう言ってもハルトが手を繋いでくれるだけで嬉しかった。

橋で繋がる小さな島、その中の神社や店を見て回る。
最近ぴよちゃん中心だったから、ゆっくり出来るだけで満足した。

「ルリはどっちにする?」

「釜あげにします。」

「生っていっても、この前みたいに踊り食いじゃないみたいだよ。」

「でも釜あげにしておきます。」

「じゃあ俺は生で、味見させて?」

「いいですよ。」

あちこちに暖簾の並ぶシラス丼の店に入った。

「ほら、踊り食いじゃないじゃん。」

ハルトがワタシの口に生シラスを運ぶ。
口の中に甘味が拡がった。

「ハルトにも、」

「う〜ん、旨いけど釜あげは普通のシラスだなぁ。」

午後は水族館に行く。
1つ1つの水槽を丁寧に見て回ったけど、ハルトのお気に入りはショーだった。

「ぴよちゃんにももっと芸を仕込むか…」

ずっと拍手して呟いていた。
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