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堕散る(おちる)
第29章 step29 二十三段目…再びの秋…実りのとき

「ルリちゃんを壊したいの?」
「いや壊すのが目的ではないが、壊れてしまうんだ。
だから壊れないように時間をかけて育てている。」
「そうじゃなくて、何でそばに置いておかないの?」
「俺のオンナだから、俺の役に立ってもらう。」
「貴方、まだ自分の気持ちに気づいてないの?」
「気持ちや心など持ち合わせていない。
そう言ったのお前だろ?」
「そうよ、でも今の貴方は違うでしょ?」
「いや、愛はわからない。ルリにもそう伝えている。それでもついてくるルリに俺の役に立ってもらう。
いつもと同じだよ。」
「気づいて…
失ってからじゃ遅いわ。」
「俺は何も持っていない。だから、失うものなどない。それが俺の強味だ。」
「もう話すこともないわね。
失ってからでも、私を思い出してくるといいわ。」
オンナが自分の酒をグッと煽るので、俺も自分のグラスを開けて立ち上がった。
オンナに付き添われて店を出たので、他の女達は寄って来なかった。
「忘れないでね。自分を見て…」
扉に立つオンナが最後に言った言葉に俺は振り向きもせず手を上げて別れを告げた。
「いや壊すのが目的ではないが、壊れてしまうんだ。
だから壊れないように時間をかけて育てている。」
「そうじゃなくて、何でそばに置いておかないの?」
「俺のオンナだから、俺の役に立ってもらう。」
「貴方、まだ自分の気持ちに気づいてないの?」
「気持ちや心など持ち合わせていない。
そう言ったのお前だろ?」
「そうよ、でも今の貴方は違うでしょ?」
「いや、愛はわからない。ルリにもそう伝えている。それでもついてくるルリに俺の役に立ってもらう。
いつもと同じだよ。」
「気づいて…
失ってからじゃ遅いわ。」
「俺は何も持っていない。だから、失うものなどない。それが俺の強味だ。」
「もう話すこともないわね。
失ってからでも、私を思い出してくるといいわ。」
オンナが自分の酒をグッと煽るので、俺も自分のグラスを開けて立ち上がった。
オンナに付き添われて店を出たので、他の女達は寄って来なかった。
「忘れないでね。自分を見て…」
扉に立つオンナが最後に言った言葉に俺は振り向きもせず手を上げて別れを告げた。

