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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
「お前はいつもそう言ってごまかす。扉が開いたらお前のベルが鳴るようにしてあるだろう。」

「すみません。」

「この男は常に良からぬことばかり考えている男だから、気をつけなさい。」

「旦那様、あっしのことをひどく言わないでくださいまし。」

「また、『あっし』と言うな。
見ての通り頭の悪い下品な男だ。剪定の腕がいいから仕方なく置いているんだってことを忘れるな。」

「へい。」

初対面で人のことを悪く言うのもなんだけと、王様が言う通り、ジロジロとイヤらしい目付きで身体中舐め回すように見られて、薄気味悪かった。

そして身なりも作業服を洗濯していないのか、風呂に入っていないのか、すえた臭いがした。

男が頭を下げて手を差し伸べ、握手を求めてきたようだけど、ワタシは怯んで後退りしてしまう。

王様がその手を払う。

「お前などが触れていいわけがあるまい。いい加減身の程を知れ。」

「旦那様、その方はご客人?一緒の部屋に住ませる女でしょうか?」

本当に口の聞き方も酷い。それに言いながらワタシをもう一度見定めるように見て、そのあと王様の裸を、その中心をイヤらしい目で見ていた。
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