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堕散る(おちる)
第31章 step31 二十五段目…B1階 初仕事
ちょうど夕日が差して赤く染まっていた。

馬場のスノーとチョコレートが自由に駆けていたけど、二人の従者に呼ばれて、手綱を付けられ馬小屋に連れて行かれるところだった。

「呼ばれて戻るなんてお利口なんですね。」

「ああ、馬は賢いよ。
ただ、俺はバカでも犬を飼いたかったんだ。
何故か両親は馬以外のペットは飼わせてくれなかった。」

「今でも、犬を飼いたいですか?」

「ああ。」

「ご両親がいないなら、飼えばいいじゃないですか。」

「居なくてもここは俺の屋敷ではないからな。勝手はできない。
君が犬になってくれれば俺は犬が飼える。
なってくれるか?」

「なろうとして犬になれるわけではないので、無理だと思います。」

あ〜はっはっ…

王様が大声で笑う。

「冗談だよ。ックク…しかし面白い。なろうとしてなれないか…」

王様は本当にお腹を抱えて笑っていた。

「そ、そんなに笑わないでください。」

突然可笑しなことを言い出す王様にハルトに似ていると思った。

そして、ワタシは気づいていなかった。自分が王様の中にハルトを見いだして、ハルトの代わりと思おうとしてることに…
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