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堕散る(おちる)
第9章 step9三段目…視覚(2)
「盗ったもの全部出して」

ルリがビクっと反応する。
リサはカバンを逆さまにして中身を全部ばらまいた。

ガン、机を叩く。

「商品なんだけど、大事に扱ってくんないかな〜?」

あっ…ハルトのふざけたような口調…
あそこに居るのは、数日前のアタシ…

視界と記憶がリンクする…
ハルトとアタシのはじまりが此処からだったことを見せつける…

違う形で出逢いたかった…心が叫ぶ…

「何で盗みなんかするんだ?」

ばらまかれた品物が、出来心でないことを示していた。

「理由が関係あるの?盗りたいから盗っただけよ」

吐き捨てるように言う女…

アタシは、この人が、ハルトが自分とあまり歳が変わらないことに気づいていると思った…
だから、なめた態度なんだと…

「リサ…お前が盗む理由、教えてやろうか、

お前盗んで、誰かに見つけて貰いたいんだろ…

お前は…」

「やめて、それ以上言わないで…ください…」

リサが意識しているのはルリだ。

そしてリサが堕ちた…


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