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堕散る(おちる)
第9章 step9三段目…視覚(2)
「でも検査しないと俺仕事なんだよね…
我慢して?」

その言葉だけで、リサの過呼吸は酷くなる…


「あの、
アタシが代わりに検査するんじゃ、駄目ですか?」

「ルリにできるの?」

「はい…」

この先ハルトがリサさんにする事はわかる。
アタシはそれをして欲しくない…
その一心で気がついたら名乗り出ていた。

「リサは?ルリでよい?」

「はい…むしろルリさんにお願いします…」


リサをモニターで見た時からピンときた。

男を受け付けない、いや同性を対象としている人間は、何故か同じ臭いがする

ある意味進化した体を持っているのだ。
男女は別の種族と言われるほど、体を始め、全ての構造が異なる。

動物もオスメスがあるが、彼らは最初から、対の物として造られているから、対で一つだ。

人間は別々に創られた…男と、それを補うために後から創られた女

同性を好む者は、異性を別の種別と認識する進化した存在なのだ。

とにかく、俺の体を欲しがる男に体を開けているうちに、俺は臭いで進化した存在を見分けられる。

防衛本能が磨きあげた能力だ。

リサからの臭いは、視覚情報しか与えないモニターを通して、俺を不快にさせた…
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