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堕散る(おちる)
第18章 step18十二段目…夏休み後半
「いいよ。ありがとう。でも、うちのマンション、指紋認証で鍵がないよ。」


「え…」

「此処と車の鍵につけようか。」

「ありがとうございます。」

ハルトと他愛ない話をこんなに長くすることがなかった。

色々辛いことを思い出させてしまうのではないかと、話題を考えてしまっていたから…


「後で着けるね。」

そう言って、キーホルダーを机に置き、手招きするハルト。

ごろっとなるハルトの隣に腰掛ける。

ん…

手を引っ張られ、ハルトに崩れ落ちる。
腕枕をされて嬉しかった。

「ハルト…誕生日いつですか?」

覚えてない、思い出したくないと言われるかもしれないと、ずっと聞けなかったことを尋ねた。


「ああ、別にいつでもいいんだけど、12月24日」

「クリスマスイブなんですね。」

「その事でアイツに叱られたこともあったな…

俺が腹ん中にいても、アイツは店に出て、男に抱かれてた。

クリスマスはパーティーとか言って、客を呼び込み売上がいいんだと、

例年通りやるって意気込んでたけど、さすがに何日か前から店を開けなくなって、当日、家で一人でいる時産気づいた。

死にたくないって叫んでいるところに、父親が来て病院に連れていったらしいよ。」
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