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堕散る(おちる)
第20章 step20十四段目…秋
要領がわかるとテキパキ動くハルトが頼もしい。

「玉ねぎのフライパンも、それで洗わなかったの?」

「そうですね。」

もう火に掛けて、フライ返しを構えていた。

最後に軽く整えながら、フライパンに入れていく。
ジュゥッという音と、肉の焼ける美味しそうな匂いが広がった。

ガラス蓋を見つめて見張っているハルト。

「そろそろ覗いてみて、ひっくり返していいですよ。」


ヨッ…

「教わらなくても、上手くひっくり返せたよ。」

子供みたいに自慢してくる。

ふふっ…

「何で笑う?」

「幸せだなぁって…」

「こんなことで?」

「そうですよ。一緒にご飯作って一緒に食べる。幸せじゃないですか?」

「楽しいけど、
まあ幸せって何かわかんないけどね。」

話しながら上手にハンバーグを返していく。

「本当に初めてなのに上手ですね。」

「ふふん、そうか?」

裸で腰に手を当てられても偉そうでないのだけど、また微笑んでしまう。


全部返したら蓋をして眺めている。
サラダを盛り付け始めた。

「ハルト、このミモザは小鉢に入れていいですか?」

「ああ、あとフランスパン切ってくれる?」

「わかりました。」
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