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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
「ほらバック」

コートと同じ色のハンドバッグを渡される。

「ハルト…凄く高いものばかり沢山…」

「クリスマスプレゼントだからね。
でもルリのお手製のプレゼントの方が高級だよ。」

「あ…ありがとうございます。」

「じゃあ出掛けようか…」

玄関にはバックとお揃いの靴まで用意されていた。

値段じゃない。
ハルトは言ってくれるけど、やはり申し訳なくなってしまう。

「ルリ、プレゼント気に入らなかった?」

「違うんです。
本当に沢山…申し訳なくて」


「ルリに似合うものを探すのも楽しみだから、
高級だと思うなら、思うルリが高級なんだよ。」

ハルトにエスコートされてエレベーターに乗る。

こんなにおしゃれしてどこにいくんだろう。

やはり緊張してしまう。


「そう言えばさ、赤鬼の話、泣くシーンがなかったよね?」

ハルトが運転しながら思い出したように聞く。


「あの…ハルト、途中で寝ちゃったんですけど、
どこまで覚えてますか?」


「ん〜赤鬼がヤラセのヒーローになって
参上っ
村人に慕われ仲良く暮らしましたとさ…

めでたしめでたし

まで…」


「いえ…めでたしめでたしはハルトが言ってただけで、まだ終わってないんですよ。」
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