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堕散る(おちる)
第22章 step22十六段目…初冬
「うん、キス気持ち良かった。
まだ亀効果かな…
ルリは?したい?」

恥ずかしくてアタシは頷くだけの返事をした。

「降りたらすぐに部屋に戻るよ。」

「はい…」

「今日は、いつも以上に素直だね。亀効果?」

「ハルトの…お誕生日だから…ハルトに…いっぱい喜んで貰いたいです。」

「じゃあ好きなだけ貰うよ。」

ハルトにギュッと抱き締められる。


この想いはどうやったら伝わるのだろう。
アタシはハルトの首に手を回し、もう一度軽くキスをした。

また真横くらいに戻ってくる。

「何だか地上に戻ってきた安心感があるね。
でも見えなくていいものも見えて、夢の世界から覚まされるようだ。」

アタシは頷いた。

ゆっくりと地上に戻っていく…
人や車が見えてきて、ハルトと二人きりの夢の世界から連れ戻されたようだ。

例え何があってもハルトから離れない。
ハルトと一緒にいる。
アタシはまた改めて決意した。

乗り場を見ると、もう列はなく、アタシ達は今日最後の一周に乗ったのだとわかった。

「最後の一周の中になんとか入れたんですね。」

「あぁ、ラッキーだったね。」

ハルトがそっと隣に座らせてくれる。
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