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彼と彼女の色々な関係~君に溺れて~
第3章 熱~海斗~

今はそんな事で凹んでる場合じゃない。
あたしは急いでお水と薬を持って来た。
それと、なにか食べたほうが良いと思って、いつもの野菜スープ。
海斗はそれを飲んで着替えに行った。
その時丁度寺井さんがやってきた。
海斗の秘書の寺井さんは、いつもこの時間に海斗を迎えに来る。
一度プライベートルームに顔を出し、海斗が準備できるまで仕事部屋で待っているのがいつものパターン。
「寺井さんっ」
あたしは仕事部屋へ行こうとする寺井さんの背中に声を掛けた。
「莉愛菜さん?
そんな顔してどうしたんですか?」
不思議そうに聞かれた。
きっとあたしの心配が諸に顔に出ているんだろう。
「海斗、風邪引いてんるんです。
すごい熱で。仕事って、どうしても休めないんですか?」
さっき計った体温計の温度は38度だった。
海斗の平熱は確か36度。
かなり辛いはずだ。

