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その瞳に…
第16章 胸騒ぎ
「とりあえず、今日の所は山村先生にお願いします。オレはこのまま交番に行って、パトロールのお願いをしてくるんで…」

佐田はふぅと息を付き、真面目な顔で大河と舞奈を見る。

「それと、二人とも明日は、7時45分迄に保健室に来るように。いいですか?」

その言葉に、大河はまた頭を下げ、お礼を言う。

「では、オレは高校に行って来ますんで。山村先生お願いします」

そう言い、佐田はさっさと公園の外へ向かった。

「先生、何であんなこと…!?何で…」

佐田が見えなくなった瞬間、舞奈は大河に詰め寄った。

自分の不注意のせいで、大河がクビにでもなったりしたら、どんな風に償っていけば良いかわからない。

その気持ちを伝えたいのに、舞奈は言葉にならなかった。

舞奈の気持ちが解ったのか、大河は優しく微笑む。

「僕は君の為なら、どんなリスクだって背負う積もりだよ。大丈夫、何とかなるよ」

その優しさに舞奈は心が傷み、また涙を溢す。

「だって…でも、それじゃ…私…どうすれば…」

言葉にならない気持ちを、必死で紡ごうとするが、舞奈は上手く話せなかった。

「大丈夫だから、さあ、帰ろう」

大河は自分と舞奈の鞄を肩にかけ、舞奈を抱き上げる。

「っ!?先生!人に見られたら!」

舞奈はこれ以上、大河に負担をかけたく無いため、降ろしてくださいとお願いする。

「大丈夫。公園内を行けば、すぐ駐車場だし。今はちゃんと理由があるからね」

そう言いながら、大河は歩き出した。

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