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その瞳に…
第24章 嫌悪と恐怖
舞奈と渡辺の間を腕で遮りながら、美和の彼氏は渡辺を説得する。

舞奈はその間に席を立ち、絵麻の所へ行くと、絵麻は渡辺を睨んだまま、舞奈を自分の体の陰に隠す様にして、庇った。

「ちえ~。まあ、良いか。舞奈ちゃんまたね~」

ヒラヒラと手を振る渡辺を無視し、舞奈と絵麻は店を出る。

店を出る瞬間、舞奈はチラっと後ろを振り返ると、顔を真っ青にした美和が見えた。



「なんっなの!?あのキモ男!?」

駅のホームにたどり着くと、絵麻は怒りを爆発させる。

舞奈はそんな絵麻の横で、捕まれた腕の気持ち悪さを取り払うかのように、空いてる手でそこをさすった。

「あれで大学生とか!頭おかしいんじゃないの!」

うがーっと、怒り狂う絵麻の言葉に、舞奈も確かに…と思う。

あの豹変ぶりは、異常だ…と思う。

渡辺の声と、捕まれた腕の感触は、襲われた時の事を思い出させ、舞奈はブルっと恐怖で体を震わせる。

「舞奈、大丈夫?」

怒りが収まったのが、絵麻は心配そうに舞奈の顔を除き混んでいた。

「あ、うん。流石にちょっと怖かった…」

まだ少し顔が青い舞奈の頭を、絵麻はぽんぽんと撫でる。

「今日は家まで送るよ」

「ありがと」

絵麻の優しさに、舞奈は嬉しくなるが、これが大河ならな…と一瞬思ってしまい、絵麻に心の中で謝罪した。


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