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その瞳に…
第24章 嫌悪と恐怖
確かに、昨日の事があったから渡辺の顔を覚えていたが、そうでなければ舞奈も、今日のアレが渡辺だとすぐに気がつかなかったと思う。

そして、電車でもあれだけ気を付けていたのに、全然解らず、渡辺の好きな様に、体を弄ばれてしまった。

舞奈は、改めて渡辺に対し恐怖を覚え、体を震わせる。

(明日から…電車どうしよう…)

朝は絵麻もいるし、家の最寄り駅は知られて無いはずなので、なんとかなるが、問題は帰りだった。

既に駅は知られており、待ち伏せしやすい為、渡辺はまた後ろからつけてくるはずだ。

(どうしよう…)

舞奈が悩んでいると、大河が外から戻ってくる。

「とりあえず、明日に成らないとなんとも言えないけど、多分もう大丈夫だよ」

大河はニッコリと晴れやかに笑いながら、舞奈達に伝える。

え?と驚く舞奈と啓介の横で、由美だけは大河のその笑顔に胡散臭さを感じ、問いかける。

「一体、何処に電話してたんですか?」

その言葉に、大河はクスリと笑う。

「知り合いに、渡辺の情報を流して、明日舞奈を付け回す様なら、それなりの対応をお願いしただけだよ」

大河は、舞奈の横に座り直し、抱き締める。

「流石に、アレはやる事が酷すぎるからね。警察に捕まっても、あまり反省しないタイプだから、知り合いにお灸を据えて貰える様に頼んだんだ」

舞奈は、啓介達の前で抱き締められる事に、困惑しながらも、大河にその身を委ね、話を聞く。

「だから、もう舞奈に付きまとう事は無いと思うから、普通に通学して大丈夫」

大河は、舞奈の頭を撫で、こめかみにキスをする。


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