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その瞳に…
第25章 初めての訪問
意地悪な顔ならば、反論しやすい。

けれど、あの優しい眼差しは、舞奈を心から愛しく思うからこそ出来る。

舞奈はそれを解っているから、反論が出来なかった。

それでも、誰かに聞こえてたかもしれない恥ずかしさはあり、小さくぼやく。

「先生が気持ち良くさせすぎなんです…」

その言葉に、大河は小さく笑いをこぼし、舞奈のおでこにキスをする。

「取り合えず、中に入ろうか」

体が落ち着いた舞奈は、大河から体を離し、靴を脱ぎ、なんとなく小さな声で、お邪魔しますと、家に上がる。

玄関の横にはドアが一つ、そして廊下の先にもドアがあり、そちらに入ると対面式のキッチンがあるリビングだった。

リビングには、二人掛け様のローソファーと、それに合わせた高さの、硝子製の机。

机の上には、仕事用なのか、MACのノート型が置いてある。

ソファーの前の壁際には、大型液晶テレビ。

その下の台には、洋画のDVDと、ゲーム器が置いてある。

あまり余聞な物が無い、シンプルな部屋だった。

ふと、舞奈はリビングの横にある扉に気が付く。

「先生。こっちは寝室ですか?」

舞奈の質問に、大河はスーツの上を脱ぎながら答える。

「そうだよ、それが?」

舞奈は男性の寝室に入った事がなかった為、少し興味があった。

男性の部屋と言えば、きっとあるであろう物。

(先生もエッチな本とか読むのかな…)

読むのであれば、どんな物を読むのか知りたくなる。

チラチラと扉を見詰める舞奈に、大河は後ろから抱き締める。

「何を気になっているか知らないが、どうせ後で入るのだから、その時にしたら?」

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