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その瞳に…
第25章 初めての訪問
 (ダメ・・・考えちゃダメ・・・先生にこれ以上心配をかけたら・・・)

 ギュっと自分を強く抱きしめ、頭を振り舞奈は何とか気持ちを切り替えようとする。

 (そう。先生の事を知らないなら、今から少しずつ知ればいい。先生にばかり支えてもらっているなら、これから自分が少しでも支えてあげられるようになればいいんだ・・・)

 沈んだ気持ちを持ち直すかのように、なるべく前向きな事を考えようと舞奈は頑張る。

 自分はまだ経済的にも、精神的にも頼りない高校生だが、それに甘える事なく早く大河に釣り合うよう、今やれる事をしっかりやり大河を支える事が出来る大人になろうと心に強く思う。

 舞奈は沈んだ気持ちが持ち直したのを感じ、さらに気合を入れる為パンパンを頬を叩き

 「よし!」

 と気合を入れる。

 「何が、よしなんだい」

 「ひゃぁ!?」

 急に後ろから声をかけられ、舞奈は心臓が飛び出る程驚き、後ろを振り返る。

 まだ軽く濡れている髪に、パジャマのズボンだけを履いた大河がドアに寄りかかって舞奈を見つめていた。

 そんな何気ない姿でも、大河に色気を感じる舞奈は、先ほどの驚きに合わさって更に心臓をドキドキさせる。

 「せ!先生!!いつの間に!?」

 「君が頬を叩くところからかな。というか」

 大河はクローゼットの前にいる舞奈の所へ来て、しゃがみこみ、舞奈を見つめる。

 「君はここの前で何をしていたの?」

 意地悪く微笑む大河に、舞奈はしまった!と冷や汗をかく。

 流石に成人向けの雑誌を探していたとは言いづらく、舞奈は大河から視線を反らす。

 「いえ・・・その、先生の事知りたくて・・・で、でも!中は覗いてません!!」

 視線を反らしながら言い訳する舞奈に、大河はふ~んと含んだ笑いを漏らす。

 「僕の何が知りたいんだい?」

 
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