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その瞳に…
第29章 大人と子供
 あまりデートや外出もしていない為、大河がどんな事が趣味で、好きな食べ物とかもしっかりと知っている訳ではない。

 友人達は、彼氏のちょっとした事が嫌になったり、少しでも何かが違うと思ったら、すぐ別れていた。

 今の所、舞奈にはそれが無い。

 今の気持ちだと、きっと一生こないんとさえ思っている。

 けれど、それは舞奈だからで、大河にそれがこないとはいえない。

 大河は、舞奈を閉じ込めて、誰にも触れさせたくない程、独占欲が強いと言っていた。

 もしかしたら、それは今は舞奈が従順だからなのかもしれない。

 少しでも、舞奈が逆らったり、大河が嫌がることをしたら、すぐに飽きられてしまうのかもしれない。

 (あ、ヤバ・・・)

 どんどん嫌な方へ考えがいってしまっている事に、舞奈は気が付き、なんとか思考を変えようと思う。

 (大丈夫。私がもっと素敵な女性になればいいだけなんだから・・・)

 そう、早百合達の様に―――――――――

 ピリリリリリリ

 (わっ!?)

 舞奈は突然なりだした着信音に、飛び上がる。

 スマホを急いで確認すると、それは大河からだった。

 (せせせ!先生!?)

 大河の事を思いながら自慰行為をし、その後大河の事で気持ちが変に沈んでしまった舞奈は、なんとなく電話に出ずらい気持ちがあったが、それでも大河の声が聞ける嬉しさもあり、複雑な心境に陥ってしまう。

 けれど、あまり待たせてはいけないと思い、通話ボタンを勢い良く押す。

 「はい!舞奈デす!!」

 『はい、大河です・・・』

 慌ててしまい、声が少し裏返りながら出てしまい、しかも大河に電話の出方を少し笑いを含みながら出られてしまい、舞奈は一気に恥ずかしくなった。
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