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その瞳に…
第30章 SとM
 「男はね、基本”挿される”と言う感覚がない。だから、その分”挿される”事に抵抗の無い女性と違って、拒否反応が凄いんだ。まあ、男性でも女性心理をもって生まれている人はいるから、その人は別としてね。そして・・・」

 カリ・・・

 「ひぁっ!?」

 首筋に歯を立てられ、舞奈はビクンと体を強く反応させる。

 「そう、今みたいに、女性は小さな痛みはすぐに快感に変えられる。けれど、男はそれが中々出来ない。女性より痛みの体制が弱いんだ」

 それを言う為にわざわざ自分を噛まなくても・・・と舞奈は思ったが、とろけ始めた思考では、すぐに反論できなかった。

 「先輩はね、特定の相手ではなく色々な人間を服従させたいタイプの人間なんだ。特に、抵抗する人間を自分色にするのが好きでね。だから、挿される事に抵抗があり、痛みをすぐに快楽に変えられない男性を変えるのが好きなんだそうだよ」

 成る程、と舞奈は少しだけ乱れ始めた吐息を、何とか整えながらも納得する。

 確かに女性は男性とSEXする時は、必ずペニスを差し込まれ、受け入れる。

 始めての時はかなりの痛みも伴う。けれど、その痛みを知っていても、その後も男性を受け入れたくなる。

 それは、痛みを上回る程の快楽がその先にある事を知っているからだ。

 しかも、精液までもその体は受け入れる様になっている。

 それは、少なからず相手を全て受け入れなければ出来ない事だ。

 SEXとは、支配され、支配するものなんだと、舞奈は思った。

 昨夜、大河を責めている時、舞奈はとても嬉しくわくわくした。

 それは、自分の一つ一つで、大河の体が反応するのが楽しかったからだ。

 楽しかった。その気持ちは一種の支配欲と同じだ。
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