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その瞳に…
第34章 楽しい夜
 本当に今更だ、と舞奈は思った。

 成滝は大河の友人で、大河の事を良く理解している。

 つまりは、初めて会った時から、成滝は自分がマゾで、望んで大河の奴隷になった事を知っていると言う事だ。

 そして、栄子の店にも顔を出し、そこで色々と商品を購入している。

 それは、栄子が大河が自分に何を使って、色々としているのかも解っているという事。

 (しかも成滝さんには、電話の件があったじゃん!!)

 大河が成滝と電話している最中、責められていた事を今更思い出し、あの時はそこまで恥ずかしさは無かったが、今思い出すと、物凄い恥ずかしい事をしていたと気がつく。

 成滝達が自分の性癖を嫌悪する事が無いのは解っているが、それでも知られていると言う事が舞奈にとってはとてつもなく恥ずかし。

 (穴があったら入りたい~~~!!!)

 うわ~!っと顔を隠しながら悶える舞奈を、大河達はポカーンと見つめていると、おもむろに栄子が噴出した。

 「やだ舞奈ちゃんかわい~~!」

 未だ顔を上げない舞奈を、栄子は横からぎゅーっと抱きしめる。

 「そうだよねぇ。まだ高校生だもん、自分の性癖がバレるのって恥ずかしいよね~。しかも、サドよりマゾの方が、バレるの恥ずかしいしね」

 フォローのつもりなのか、舞奈の頭を撫でながらわかるわ~と栄子は言うが、舞奈はそれ以上言わないで!と更に恥ずかしくなる。

 「大丈夫よ、舞奈ちゃん。私達これを誰にも言わないし、そういった事は気にしないわ。英樹も単純に大河さんに彼女が出来て嬉しいってだけなのだし」

 早百合も、舞奈の背中を撫でながら、一生懸命フォローをする。

 早百合達に慰められ、なんとか少しだけ落ち着きを戻した舞奈は、やっと顔を上げるが、まだ顔は真っ赤なままだった。

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