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その瞳に…
第37章 日常の中の非日常
コーヒーを飲みながら淡々と話す大河を、成滝は呆れ顔で見つめるが、すぐに舞奈達の方に向き直る。
「つっても、家の方は兄貴が継いでるし、俺はこの通り好き勝手やらせてもらってるからね。まあ、親父的にこのマンション俺にあげて、あとは全部兄貴に引き継がせる予定だと思うよ。だから俺は金持ちって訳じゃないよ」
高校生の舞奈には、事業を継ぐとか財産の事とか難しいことはまだ良くわからないし、舞奈自身そんな一般的なサラリーマンの家庭に育ったのでこの先もそんなややこしい事にはならないだろう。
しかし、今こうやってあっけらかんと成滝は笑っているが、それまでは色々と大変だったのだろうとは思う。
ふと、舞奈は成滝が色々あるのだから、大河はどうなのだろう、と視線を送ってみると、それに気がついた大河は何時もと変わらない笑顔を舞奈に向けた。
「僕の方は至極一般的な家だから、成滝みたいにめんどくさい事はないよ」
自分の考えを見抜かれた舞奈は、ドキっと鼓動を高鳴らせながらそうですか、と返事をしながらなんとなくほっとしてしまう。
すると、成滝がおもむろに横槍を入れた。
「いやいや~。家の方はめんどくさくなくっても、お前が結婚するってなったら、妹ちゃん大暴れすんじゃね?」
「へっ!?け、結婚!!!?」
突然の言葉に舞奈は思考がパニックになり、慌ててしまう。
しかし、成滝は舞奈のパニックをまったく気にせずに、話を続ける。
「だってこいつの妹超ブラコンだもん。大学で家出る時なんか大暴れしたし、早百合を一度彼女と勘違いして喧嘩売ってきた事もあったよね」
「そうね。その時は明日香さん、まだ中学生だったわね」
懐かしいのか、舞奈の横で早百合がクスクスと微笑む。
「つっても、家の方は兄貴が継いでるし、俺はこの通り好き勝手やらせてもらってるからね。まあ、親父的にこのマンション俺にあげて、あとは全部兄貴に引き継がせる予定だと思うよ。だから俺は金持ちって訳じゃないよ」
高校生の舞奈には、事業を継ぐとか財産の事とか難しいことはまだ良くわからないし、舞奈自身そんな一般的なサラリーマンの家庭に育ったのでこの先もそんなややこしい事にはならないだろう。
しかし、今こうやってあっけらかんと成滝は笑っているが、それまでは色々と大変だったのだろうとは思う。
ふと、舞奈は成滝が色々あるのだから、大河はどうなのだろう、と視線を送ってみると、それに気がついた大河は何時もと変わらない笑顔を舞奈に向けた。
「僕の方は至極一般的な家だから、成滝みたいにめんどくさい事はないよ」
自分の考えを見抜かれた舞奈は、ドキっと鼓動を高鳴らせながらそうですか、と返事をしながらなんとなくほっとしてしまう。
すると、成滝がおもむろに横槍を入れた。
「いやいや~。家の方はめんどくさくなくっても、お前が結婚するってなったら、妹ちゃん大暴れすんじゃね?」
「へっ!?け、結婚!!!?」
突然の言葉に舞奈は思考がパニックになり、慌ててしまう。
しかし、成滝は舞奈のパニックをまったく気にせずに、話を続ける。
「だってこいつの妹超ブラコンだもん。大学で家出る時なんか大暴れしたし、早百合を一度彼女と勘違いして喧嘩売ってきた事もあったよね」
「そうね。その時は明日香さん、まだ中学生だったわね」
懐かしいのか、舞奈の横で早百合がクスクスと微笑む。