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その瞳に…
第38章 冬休み
 薄暗くすぐに確認は出来なかったが、舞奈は頭のてっぺんから足までじっくりと男性を凝視する。

 (やっぱり、先生!?)

 普段遠めから大河を見ている事が多い為、立っている時の癖や体つきで舞奈は男性が大河と確信する。

 と同時に疑問と嫉妬が湧いく。

 (なんでこんな所に?っていうかあの人誰?なんか先生にくっついてるし!!!)

 大河の腕に絡みついたまま怒りを露にする女性に、舞奈は栄子や早百合に湧くことが無かった嫉妬がどんどん湧き上がってくる。

 (私でさえ外じゃ全然あんなにベタベタできないのに!!!)

 舞奈は嫉妬で頭の中が一杯になっていると、背中に暖かい感触が当たる。

 「何?ってアレもしかして山セン?」

 「あ、ほんとだ。良く見ると山センじゃん」

 絵麻と美和が舞奈の後ろから顔を出しながら、わき道を覗き込むと二人も大河の存在に気がつく。

 (!!!!?ヤバっ!!)

 絵麻にはバレているが、美和の存在を忘れていた舞奈は今の状態がまずい事をすぐに気がつき、美和に言い訳をしようと後ろを振り返ろうとした瞬間、二人の会話が耳に入ってくる。

 「関係ないって酷くない?もう一度付き合ってって言ってるんだから!!」

 (っ!?)

 『もう一度付き合って』と言う言葉に、舞奈は美和への言い訳も忘れもう一度女性に振り返る。

 (もう一度って事は、あの人元カノ!?)

 舞奈はギリっと木の幹に力を込めながら、女性をじっくりと見つめる。

 身長は平均的で細めの体系。

 今は怒りに満ちた顔をしているが、普段は可愛いと言うより美人といった方が似合いそうで、歳は大河と同年代位に見える。

 (私とはまったくタイプの違う女性だ・・・)


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