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その瞳に…
第39章 Christmas
 チラリ、とカバンの中身を確認する。

 そこには大河の為のプレゼントが入っていた。

 男性にプレゼントするのは初めてで、舞奈は何を送っていいのかとても悩んだ。

 12月の頭から試験に集中はしていても、大河へのプレゼントの事も考え、啓介に相談したりもした。

 そして選んだのが、ネクタイとタイピンだった。

 色気が無いかな?と思いつつも、啓介がネクタイなら一杯あっても困るものじゃないと言っていたのと、これなら普段から大河に使用してもらえるから、と決めた。

 大河に似合いそうなダークブルーのネクタイに、シルバーのタイピン。

 (先生、気に入ってくれるかな・・・)

 初めてのプレゼントに少しだけ不安を持ちながらも、どんな顔をして大河が喜ぶのかどきどきする。

 「はぁ・・・」

 待ち合わせ時間が近くなるにつれ、どきどきする鼓動を落ち着かせるかの様に、舞奈は冬の空に向かって息を吐く。

 少しだけ白くなる吐息。

 今年は暖冬な為、雪が降らない舞奈の地域はさらに暖かく感じる。

 それでも冬には変わりなく、ドキドキして火照った顔を冬の空気が冷やしてくれ、気持ちが良い。

 舞奈は目を閉じて、冬の空気の気持ちよさを感じていると、車の音が近づいてくるが聞こえる。

 (来た!)

 ぱっと目を開け、道路へ目を向けると、一台の車が舞奈の横に停まる。

 「舞奈、もう来ていたのかい」

 見慣れた車から降りてくる、最愛の人に舞奈は笑顔を向ける。

 「待ち遠しくて、早く来ちゃいました」

 その笑顔に、大河は小さく笑いを溢し、舞奈の頬に触れる。

 「まったく、こんなに冷えて。風邪ひいたらどうするんだい」

 「大丈夫です!私風邪なんて小学生以来ひいてませんから」

 両頬に大河の熱の気持ちよさを感じながら、舞奈はえへへと笑いを溢す。

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