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その瞳に…
第9章 いつもの学校
「先生に触りたいよー!?」

――金曜日の放課後、舞奈は従兄弟の家に行き、叫んでた。

あれから、舞奈と大河はあまり学校で顔を合わせる事がなかった。

文系クラスの舞奈は、元々化学の授業は週に三回しかなく、週2の部活も、華道は外部から講師を呼ぶため、顧問がいすわる事があまり無い。

顧問がいないのに、副顧問が部室にいるのもおかしい為、大河も少し顔を出すだけだった。

夜はメールや電話をしているが、月曜日にしたキス以来、大河に触れていない。

明日は休みだが、特に会えるかどうかの話しはしていない。

「なかなか先生に会えないし、会ってもそんなに話せないから辛いよ~」

ボフボフとクッションを叩きながら、舞奈は暴れた。

「教師なんだから特定の生徒を贔屓する事出来ないんだから、仕方ないじゃん」

そんな舞奈を呆れた顔で見つめる由実は、冷たく突っ込む。

正論を言われ、ブスーっと舞奈は不貞腐る。

「そうだけど~…明日休みなのに、特に何にも言われないし…でも私から聞くのも、重くなりそで嫌だし…」

由実はさらに呆れた顔をする。

「つか、教師って土曜も仕事あったりするじゃん。言っとくけど、私立の教師なんて雇われだからね?サラリーマンとおんなじよ?」

え?と舞奈は由実に問いかける。

「教師って全員公務員じゃないの?」

「それは公立だけだ」

そんな事知らなかった舞奈は、由実の言葉に目から鱗が落ちた。
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