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優しい彼の悪魔の顔
第13章 甘い朝
ミコが意識を取り戻し、重い体を起こす。

カーテンの隙間からは日の光が差していた。
気がつけば、またしても朝になっている。

隣を見ると、やはりリョーの姿はどこにもない。
いつもの、朝。

「おはよ、ミコ」

ソファーからリョーが立ち上がり、ペットボトルに入ったミネラルウォーターを手渡す。

「あ、おはよう…」

ミコは、なんとなしにリョーから目を背ける。

まるで初めてリョーと朝を迎えたような、そんな気分。

「体、大丈夫?」

「うん…」

昨夜のことを思い出し、ミコは俯きながら赤面する。

今まで何度も恥ずかしいことをされたのに、なぜだか昨日のことのほうが思い出すだけで恥ずかしくなる。

初めて、ミコからリョーを求めた。

無理強いされる訳でもなく、物足りない何かを求めた。

「ほら、そんな反応したら、また抱きたくなるよ?」

リョーはミコの体を抱きしめる。

シーツからは、ミコの一糸纏わぬ姿がこぼれた。

「えっ、あの」

「はは、冗談だよ。まだ疲れてるでしょ?もうちょっと寝る?起きる?」

優しいリョー。
昨夜の意地悪なリョー。

どちらもミコの大好きなリョー。

ミコは暖かい感情が湧き出るのを感じながら、ベッドから降りた。

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