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優しい彼の悪魔の顔
第10章 デート
「ちょっと遠いから、高速乗るね」

車に乗るとリョーはそう言った。
どこに行くんだろう?

途中のサービスエリアで飲み物とおやつを買う。

ショッピングモールを出てからずっと、一時間は車を走らせている。

「ね、どこ行くの?」
「ん?着いてからのお楽しみ」

ミコの問いかけにリョーははぐらかしたまま。

また運転を再開すると、ついに県をまたいだ。

そこは冬になるとスキー場に向かう人で増えるが、夏の時期に行って何があるのだろう?

ミコの疑問に気がつくはずもなく、リョーはカーナビも使わずにひたすら目的地に向かう。



そして18時を過ぎた頃、ようやく、リョーは車を止めた。

木々に囲まれたその駐車場は、数十台の車が停められるスペースがあるが、リョーたち以外には車が二台あるだけ。
やっぱり、シーズンじゃないみたい。

訝しむミコの手を自然にリョーはとった。

「こっちだよ」

ミコはリョーに先導されて木でできた階段を登った。
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