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第12章 変化

何度同じ夜を過ごしただろう？
リョーの腕に包まれながら、ミコは自然と涙が溢れていることに気がつかなった。

リョーはその涙を空いた指でそっとすくう。

「ミコ？」

そしてやっと、ミコはリョーの存在を思い出す。

「どうしたの？」

「どうも、しない…」

声を絞り出したものの、ミコにもわからない。

何が足りないの？
どうして満足できない？
こんなにも、リョーは近くにいるのに。

足を絡め、腕を背中に回し、二人で一つになる。

だけど、やっぱり、そこにリョーはいないみたい。



ミコは溢れる涙を止められなった。