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ただそこに君がいた
第2章 いつからか
ギシッ…ギシッ…
『あっ…アンッ…!』
それにしても、久々に会った一夏は、変わり果てた成りをしてた。
『ねぇ…春季ぃ…っ』
『………ん?あぁ』
一夏と言えば、昔から長い黒髪がトレードマークで。小学校から一緒に通っていた薙刀。そのおかげで身についた、背筋のシャンと伸びた姿勢。
『あっそこ…もっとぉ…!』
『………ん、ここな。ほら』
普段は高い位置で一纏めにしていて。スッとしなやかに歩く後ろ姿。綺麗に揺れる、あの長い黒髪が、とにかく好きだった。それが今じゃ…
『…チッ。集中できねぇな…!』
『あッあん!あッ…激しっ…』
明るく染めた茶髪。頬までしか隠れない長さの毛先。何だよあの変わりよう?!一夏のくせに品のねぇ!
『おらッおらッ…!』
『あんダメッ!イッちゃう…イッちゃうよぉっ…!』
………大体な。あんなので薙刀とかねーだろ。あれで一歩でも道場入ってみろ、あんのクソクソ鬼ババ師範が黙ってるわけ────