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want to be ...【短編集】
第7章 温泉旅行 3日目
「J大さ、全体的に凄く雰囲気いいの、
OC行った時も思ったんだけど。
何か…って聞かれたら説明難しいけど
他の大学にないところがある」
「…」
なぜかムスッとしてる蒼汰。
「…それさ、美咲も言ってた」
「え、ほんと?」
「ほんと。全く同じ事」
「…っ!えっ、嬉しい!」
「…、嬉しい?」
「だって、美咲さんと同じ事考えるなんて!
あたし達気が合うんだ。へへへ〜」
「…そういうところも似てる」
「え?何て?」
「…何も?」
「えぇ、何か言ってたのに。教えて?」
穏やかに笑ってる蒼汰に頬を膨らませる。
「…ま、かなりいい意味で、って思っとけ」
「…っ」
何て…優しい表情。
ほんの、ほんの…少しだけ。
抱き寄せてくれてる蒼汰の胸に身体を預けた。
「…あ。あとね?確かに学力ではまだ上に行けたの。
ずっと判定はAだったし、K大とかT大とかも
もっと頑張れば行けてたみたいなんだぁ」
「…そうなの?じゃあ何でJ大…」
「…、…あの。他の大学では勉強出来ない部門が
J大にあったから、と。…蒼汰がいたから」
「…!」
先生にも、「もっと上に行ける」と違う大学を勧められていたけど。
あたしはJ大に行くと言って譲らなかった。
別に、頭のいい大学に行きたかった訳じゃない。
…こんな事言ったら笑われるかもしれないけど。
「…好きな、人…と、同じ大学…行きたいじゃない?
蒼汰の大学生活…知りたかったし、美咲さんも
翔平も麻友も健もいたから、楽しめると思って…」
今まで本人に話してなかった事。
稀に、翔平達といる蒼汰を廊下や食堂で見かけた事があったけど。
翔平達は話しかけてくれても、蒼汰は麻友と口論してたりスマホ弄ってたりして、こっちの事を全く気にしてくれてなかった。
その後セックスするのに会っても、何も言われなくて。
まあ、セフレのあたしなんてどうでもいいか…なんて思っていた。
本当のところ、どう思ってたんだろう。
当然蒼汰はあたしがJ大にいる事知ってたし、よく同じ家から一緒に行ってたあたしに対してどう思ってたのかな。
…こんな事、今まで話した事なかったな。
お互いの家族の事は知ってるけど。