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溺れる恋は藁をも掴む
第11章 color
「落ち着いたら、
みんなのとこ戻る?
それとも帰る?」

私に優しい言葉を掛け続ける誠治さん。


「今日は……帰ります。
ごめんなさい」

「じゃあ、駅まで送るよ。
無事に着いたら連絡くれる?
心配だから」


「えっ⁈あっ………はい」





私達は連絡先を交換した。
驚いたけど、
チャンスの女神っているんだね?

戸惑いながらだったよ。
男の人からどんな理由にせよ、
連絡先を聞かれる事も奇跡なんだよ。




「着いたら連絡してよ。
メールでもいい」

「はい…」




「華ちゃん、
自分のカラーって大事だよ。
どんな自分でも、
曲げないでカラーを出し続ける。
沢口の奴はさ、
悪気はないけど、
考えなしって言うのは、
華ちゃんの言う通り。
それを分からせてやる人が居ないのは、
あいつを可哀想な奴にしちゃう。
でも、俺は言いたくても言えなかった。
勇気ないんだ。
顔色ばっか伺うビビリ。
それに比べたら、
華ちゃんは凄いよ!
自分のカラーを大事にする人。
そんな人、
俺、好きだな」






耳を疑いました。
私を好きって、
今、言った?
聞き間違いですか?


こんなに捻くれて、
無様な泣きっ面女のおデブちゃんを好きって言うの?

勿論、恋愛感情なしの人として前提ですよね?
ハイ、多分そちらですよね…
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