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第12章 恋に落ちる時

過去を振り返れば、
その時、その時の恋に私は真剣だった。
どんなに惨めな別れをしても、
自分に恥じる事なく、心は最後の最後まで思いを貫く。

誠治さんとの出会いや、アキとの再会などを頭の中で照らし合わせると、一つの共通点がある。

コンプレックスを拭いきれない私を、
この二人は理解してくれた事。

優しい眼差しを向けてくれた人なんだ。


だからかな…
私が惹かれてしまったのは？


気づかぬうちに恋心が加速をして、
好きになった魅了的な男性だった。






あの時の私は、恋に必死だった。


今度こそ！なんて意気込んだ。
妹さんのプレゼントを一緒に選ぶというキッカケでも、
誠治さんと二人きりで会える事に、幸せな恋の予感を感じた。



予感…


鈍臭い私の勘違いにならないようにと、
祈った恋でもあった。